今年の夏に開催された「東海北陸ブロック 老人福祉施設研究大会 福井大会」で、あらしま苑が取り組んだチームケアの研究結果を発表。
この発表が優秀だと認められ、東海北陸ブロックから推薦をいただき、愛媛県松山市で開催された「全国老人福祉施設研究会議(愛媛会議)」においても、研究発表をさせていただきました!
2日間に渡って行われた全国大会には、日本全国から約2千人の介護従事者が集結!
1日目には
愛媛県出身のテノール歌手「秋川雅史」氏の記念講演『夢のある人生』、全国老人福祉施設協議会による『老施協ビジョン2035』などが発表され、参加者らは大きな転換期を迎えつつある介護業界において飛躍するため、情報やビジョンを共有しました。
2日目は
6つのテーマに沿った実践研発表と研究者による先駆的特別報告が行われました。
実践研究発表テーマ
①伴走型介護の追求ーQOL向上に資するケアの実践ー
②持続可能な特養と社会福祉法人(特養)の経営
③2040年を見据えた人材採用・育成・定着戦略
④健康寿命の延伸と重度化防止を担う在宅サービス
⑤入居者とともに地域を創る経費・ケアハウスの取り組み
⑥養護老人ホームにおける福祉と尊厳の追求
先駆的特別報告
「介護ロボット」及び「ICT」の導入・利活用による業務改善と負担軽減に関する検証・研究
あらしま苑は「①伴走型介護の追求ーQOL(注1)向上に資するケアの実践ー」テーマの中で「看取り介護の研究」を行いました。
(注1)QOL=Quality of life(クオリティ オブ ライフ)の略称。「生活の質」「生命の質」の意味。
研究タイトル
「自分らしい最期」とは何か〜私のわがままを聞いて〜
あらしま苑の事業形態は「特別養護老人ホーム」。
この特別養護老人ホームは入居者様の最後の生活の場であり、自分らしい最期を支えるためには「チームケア」が重要なのでは無いかと考え、看取り介護の研究に取り組み、1人の入居者様の事例を発表させていただきました。
取り組んだ課題
①ケア介入の拒否や職員を指名することへの対応。
②入居者様の思いを汲み取り、ケアの統一を図る。
③1人で生きてきたプライドや価値観と寂しさへの対応。
活動の成果と評価
①ケア介入の拒否や職員を指名することへの対応。
→看取り期に入り入居者様と向き合うことが出来た。
②入居者様の思いを汲み取り、ケアの統一を図る。
→多職種間で生活全般、細かな部分まで話し合いケアの統一を行った。
・素直な感情表出があり「必要なときだけ声をかけてもらいたい」との意向があったので、情報共有を行って対応した。
・食欲が無くても、食事時間になればテーブルに着くことで、雰囲気を感じ安心に繋がることがわかり、情報共有を行って対応した。
③1人で生きてきたプライドや価値観と寂しさへの対応。
→入居者様に寄り添うことで本当の思いに対応することができた。
・一人最後を迎えることを覚悟していた。
・いつも近くにいる職員に素直な気持ちの表出があった。
・「わがまま」とは不安や恐怖感から来る孤独感であった。
私たちの研究結果が認められ、このような大きな舞台で発表させていただけたことは非常に良い経験になりました。
推薦いただいた「福井県老人福祉施設協議会」様、誠にありがとうございました。
これからも入居者様一人ひとりの個性や生活リズムに沿ったケアとチームケアを行い、「自分らしい最期」を迎えていただけるように支援していきます。