知っていると心が軽くなる!認知症の実例“食事・会話・他者への対応9選”!〜自宅で介護のコツ#11〜 - HOWAGROUP:医療 介護 福祉の豊和グループ

知っていると心が軽くなる!認知症の実例“食事・会話・他者への対応9選”!〜自宅で介護のコツ#11〜

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今回は、認知症の実例“食事・会話・他者への対応”【9選】をご紹介します。

目次

1:食事編

素手で食事をする(0'16)

●対策①
おにぎり・サンドウィッチなど手で食べられるよう工夫しましょう。

●対策②
箸を手に取ってもらうことで、箸を使う記憶が呼び起こされることがあるため、ご飯を提供する際はまず箸を持ってもらいましょう。

ご飯を食べたことを忘れて「ご飯を食べたい」と言う(0'42)

●対策①
「今準備しているから待ってね」など声を掛け、待てない場合は「おにぎりでも食べる?」とおにぎりを渡しましょう。食べ過ぎなどの心配がある場合は、一口サイズにするなど食事の量を調整します。

●対策②
食後も空腹でお腹が満たされない場合は、一度に食べる食事を少しずつ分けて提供したり、健康状態に影響がなければ、いつもの白いご飯にふりかけをふるなど気分を変えて食事ができるように工夫してみましょう。

夜中に食べ物を探し回って睡眠を取らない(1'30)

●対策
本人がいつでも好きな時に食べられるよう冷蔵庫や机の上に簡単に食べられるものを用意しておくことで、食事を取り満足し就寝することがあります。健康状態を管理した上で行ってください。


好きなものしか食べず、食事に偏りがある(1'53)

●対策
健康状態に気をつけながら好きなものを食べてもらい、食事を楽しめるようにしましょう。食事制限がある場合は好きな味付けにするなど、食べられる工夫を行いましょう。

【食事編ポイント】(2'15)
 “本人の「食べたい」という意思を尊重する”

本人にとって、食事を取ることは悪いことではありません。
手で食べる・食後にすぐお腹がすく場合は、「お箸を使おうね」「今作ってるから後でね」など何度も声かけを行うよりも、食事を渡すことで落ち着くのであれば提供しましょう。
健康上の食事制限などがある場合は間食があることを想定して1回の食事の量を調整するなど工夫をしたり、かかりつけの医師に相談しましょう。
本人が自身の意思で食べることが大切なので、「食事を食べたい」という想いを尊重してください。

2:会話編

何度も同じことを聞く
説明しても数分後にまた同じことを聞く
(2'58)

●対策
その場しのぎで会話をせず、想いを理解した上で具体的に説明をしたり、日付のわかる物などで日時や状況の把握をしてもらう。テレビをつけて天気予報を見たりカレンダーを見て違う会話で気分が変わるようなコミュニケーションを取りましょう。
例)「息子(県外で離れて暮らす)は何時にくるの?」
→「19時に来ると聞いているからそれまで待とうか。」
→「あたたかいお茶飲んで待とうか。」など

 

お金や通帳を盗んだと家族に言う(3'43)

●対策①
現金や通帳は預かっておき、お金の入っていない財布など代用できるものを渡し、上着やズボンの決まったポケットに入れるようにする。すると、本人にとって馴染みのあるものが決まった場所にあることで安心するケースがみられます。

●対策②
毎日通帳を見せてお金が引かれていないことを話し納得してもらいます。数字が認識できなくなってからも「たくさん貯まったね」と声かけを行い納得してもらいましょう。

 

夜中に大声を出す(4'28)

●対策①
何故大声を出すのか目的を聞き対応しましょう。頭ごなしに「うるさいよ」と声を掛けることは逆効果です。

●対策②
大声を出す目的などが把握できない場合はマッサージチェアに座る・車に乗ってドライブなど、気分を変えると落ち着く場合があります。

【会話編ポイント】(5'00)
 “他者との関係を断ち切らない環境を作り、失敗すると決めつけずに見守る”

家族以外の人間関係を完全に断ち切るようなことはせず、訪問販売など突然の来客に対応する環境を整えることが大切です。また本人が失敗すると決めつけずに程よい距離感で見守り、必要であればフォローしましょう。

3:他者への対応編

訪問販売でハンコを押してしまう(5'35)

●対策
ハンコ管理などは家族が行い、本人が必要最低限で対応できる環境にする。来客がある場合は家族で対応、または一緒に対応できるようにし、訪問販売などの来客には対応しないと家族で決まりを作り、本人も一緒に共有する。

 

電話に出るが対応が難しい

メモを書くが説明できない(6'09)

●対策
メモは不安要素になる場合があるので、メモで対応する術を作らない方がいい場合があります。他者とのコミュニケーションを絶つのではなく、電話(かんたん携帯など)を持ってもらい、特定の人からしかかかってこない電話で表示名を大きく出るようにフォローをしましょう。

【他者への対応編ポイント】 (6'36)
“本人の想いを理解し、心に余裕を持つことで対応の引き出しが増える”

本人の思いや目的を理解せず、その場しのぎでなんとなく返答してしまうと、信頼関係を失いコミュニケーションを取りづらくなることがあります。
対応をする際、100点の完璧な答えを見つけ出す必要はありません。頭ごなしに否定をせず、本人がどういう思いでいるのか理解することで心に余裕ができ、本人の納得のいく答えや対応を探し出すことができます。

4:まとめ(7'01)

今回ご紹介した内容が必ずしも正解ではありません。
その場の状況や環境により対応は異なります。

 

私たちと同じように生活するのが当たり前と思ってしまうと、 家族が疲れてしまったり、ストレスが溜まる原因になります。
認知症の方を変えようとするのではなく、 同じことを繰り返すことを当たり前と思い、 自分の介護方法・心構えを変えることでストレスの軽減につながります。
程よい距離感で見守り、本人の目的や想いを理解した上で生活をフォローしましょう。

 

介護が大変な場合は無理をせず、各種介護サービスの利用も検討しましょう。 利用に当たって不安や質問がある場合は、お気軽にホームページよりお問い合わせください。

今回の動画を参考に、より良い介護ライフを送ってくださいね!

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