特別養護老人ホームうがた苑で、職員の鈴木副主任が講師となり「事故防止」の勉強会を開催しました!
今回の内容
①事故防止と再発防止の考え方
②事故が起こった際の行動
③ハインリッヒの法則
④介護現場の事故を減少させるための4つの対策
はじめに「事故防止と再発防止」について学びました。
①「事故防止と再発防止の考え方」
介護現場では、現場の業務が多忙であるため事故やヒヤリハットの原因と対策を考えることが後回しになることが多く、
同じ事故が続くという例が増えています。
事故が起こりやすい状況や場所を把握し、ヒヤリハットの原因と対策を考えることが事故防止・再発防止につながります。
ヒヤリハットとは
突然のできごとやミスに「ヒヤリ」としたり「ハッ」とすること。
大きな事故にはいたらないものの、事故に直結してもおかしくない一歩手前の事例の発見。
●事故を防止するためには
ヒヤリハットを発見したら、事故が起きないように職員間で情報を共有し対策を考える。
(例)
・ヒヤリハット発見:フロアに放り出された椅子
・職員間で情報共有:ご利用者が椅子につまずいて転倒する可能性がある
・対策を考える :転倒しないように椅子は必ず机の下に片付ける
●再発を防止するためには
事故が発生したとき、同じ事故を繰り返さないために原因と対策を考え解決策を決める。
(例)
・事故発生 :転倒してしまった
・原因を考える:見守り不足であった
・対策を考える:見守りをしていたら防ぐことができたので見守りを強化
・解決策 :ご利用者の生活リズムや心身の状態を把握し動き出す時間・タイミングに声かけをし、誘導・付き添いを行う・見守りの人数を増やす
次に現場で事故が起きてしまった(発見した)際の対応について学びました。
②「事故が起こった際の行動」
●転倒・転落が発生したときの対応方法
①利用者の状態確認(ケガの有無、意識の確認、打った箇所の確認)
②安全の確保(二次災害の有無、可能であれば車椅子、ベッドへ移乗)
③落ち着いてから、バイタル(体温・呼吸・脈拍・血圧)測定
④看護師・上司へ報告し指示を仰ぐ
⑤事故後の数時間・数日の様子観察
⑥報告・職員間で情報共有・事故報告書を作成
●誤嚥 (ごえん) 注1 が発生したときの対応方法
①利用者の状態確認(むせているのか、呼吸困難なのかを確認)
②看護師に連絡
③一時処置(看護師が来るまで一時処置を行う場合もある)
④吸引器準備(看護師が使用する可能性があるため)
⑤処置後の対応(落ち着いてから測定。様子観察を行う)
⑥報告・職員間で情報共有・事故報告書を作成
注1: 食物や唾液が誤って気管に入ってしまうこと
改めて普段行なっている業務を見直し、現場で冷静に対応できるように学ぶことができました。
次にハインリッヒの法則について学びました。
③ハインリッヒの法則とは
アメリカのハインリッヒ氏が事故事例を根拠に導きだした法則。1:29:300の法則と言われる。
1件の大きな事故の背景に29件の小さな事故があり、小さな事故の背景には300件のヒヤリハットがあるという法則。
事故が発生する背景には、ヒヤリハットから事故へ発展するというハインリッヒの法則が関係しているため、
グループに分かれて「フロア」と「居室」のイラストを見て、ヒヤリハットする事故が起こりやすい状況や場所を予測する練習を行いました。
皆さん鋭い観察力でたくさんの事故が起こりやすい状況や場所を発見し、様々な意見が飛び交います。
次にグループで見つけた意見を全体に発表!
全体の発表では、
「あ〜そういう危険も考えられるね」
「他の人の意見がとても参考になる」
「明日からすぐに実践できる」
と、グループでは気づかなかった様々な視点からの意見が出て有意義な意見交換となりました。
ここまで色々と学んできましたが、やはり一番大切なのは『介護現場の事故を減少させること』!
最後に講師の鈴木副主任が、介護現場の事故を減少させるための具体的な対策例を4つ教えてくれました。
④介護現場の事故を減少させるための4つの対策
1、現場でのヒヤリハットの事例を収集する。
2、事故が起こりやすい状況や場所を職員同士で把握し共有する。
3、ヒヤリハット・事故の体験に基づく危機管理のマニュアルを作成し、実行する。
4、職員全体で情報の共有ができる組織作りを行う。
介護現場で事故を減少させるためには一人ひとりが危機感を持つことも大切ですが、職員同士で情報を共有し、業務をマニュアル化していくことが最も大切です。
これからも定期的に研修会や勉強会を開催し、ご利用者が安心して生活できるように安全を第一に考え、質の高い介護サービスを提供していきます!